映画観てある記:第203回

教育と愛国

監督:斉加尚代
語り:井浦新
2022年 きろくびと

教育と政治の関係を追った、ギャラクシー賞大賞受賞作を再構成。
政治介入が増す教育現場に警鐘を鳴らす作品。
1997 年設立の政治団体「日本会議」は、故・安倍晋三氏をはじめ保守系議員らを中心に、憲法改正運動を展開。
同年、「新しい歴史教科書をつくる会」が結成。
2006 年第一次阿部内閣発足後、教育基本法が変えられる(目的・目標を変え、伝統と文化を尊重する…を挿入)。
その後、教科書に対する最大の政治介入の日(2021 年 4 月 27 日)答弁書を閣議決定。①「従軍慰安婦」を「慰安婦」とし、②「強制連行」を国会答弁(5 月 10 日)で不適切として、ただの「連行」に。

1945 年アメリカは、国策映画の中で戦時中の日本の教育を描いた汝の敵日本を知れ

その映画では、
「日本の学校は心を育てるところではない。政府が選んだ事実や認められた思想のみが教えられる。教育の目的は、同じように考える子どもの大量生産である」
と紹介している。

安倍内閣以後、憲法に拘わる様々な重要な問題が、2015 年の集団的自衛権行使の強行採決に始まり、国家機密保護法の制定等、国会審議を無視し、軍事費の大幅拡大等を閣議決定ありきで進められている今日に、非常に危機感を感じる。
そしてこの教育の問題。
…皆さんに強く訴えたい~これって、いつか来た道ですよね。

教育と愛国

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