映画観てある記:第64回

警察日記

監督:久松 静児
出演:三島 雅夫
森繁 久彌
三國連太郎
杉村 春子
二木てるみ
1955年 日活

日活は、三度の映画製作中断を乗り越え、2012年創立100周年を迎えた。
日活株式会社の社名は、1912年に横田商会、吉沢商店、福宝堂、エム・パーティー商会、4社が、合併して設立した日本活動写真株式会社の略称に由来する。 

この「警察日記」は、農民文学の代表的作家として知られる伊藤永之介の小説を映画化した作品である。

田舎の小さな警察署で起こる様々な出来事をスケッチのように描いた人情ドラマである。 しかし、その背景には、娘の身売り、コソ泥、捨て子などの農村の厳しい現実が描かれている。

当時、人気上昇中だった森繁久弥演じる人情味あふれる警官役は、同じ年の「夫婦善哉」とともに、絶賛された。
また、捨てられた6歳の女の子を演じた二木てるみの素朴な演技は、感涙ものであり、監督の演出力の証明である。

警察日記

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