スタコラ:2015-04-13

消せるボールペン型

2015-04-13
大隈信夫

今年は、桜が満開となる中で新年度を迎えた。
街には真新しいリクルートスーツの新社会人の姿があふれている。
毎年、新入社員を対象に就労意識を調査し、その年度の新入社員の特徴とタイプを発表している日本生産性本部は、今年の新入社員のタイプを『消せるボールペン型』と発表した。

発表では、

見かけはありきたりのボールペンだが、その機能は大きく異なっている。
見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない

と今年の新入社員の特徴を分析し、

新入社員の見かけは毎年同じだが、その資質や特性は変化している。
消せるボールペンも特別なボールペンの姿をしているわけではない。
見かけだけで判断せず、その最大の特質である“書き直しができる機能”(変化に対応できる柔軟性)を活かして欲しい

と採用した企業の側の対応についても述べている。

同時に、摩擦熱でインクを透明にする「消せるボールペン」の特性と重ねて、

新入社員をすぐ即戦力にしようと思い、熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)を消しかねない。
また、使い勝手の良さから酷使しすぎると、いわゆるブラック企業と誤解され、すぐにインクが切れてしまう(早期に離職してしまう)危険性をはらんでいる。

と指摘している。

福岡市内で見かけたリクルートスーツ姿の20名ほどの集団は、その先頭に、先輩とおぼしき女性の姿があり、きれいに2列で、きちんと信号待ちをしていた。
この集団にいた新入社員が、『変化対応の柔軟性』を持って、『熱』のこもった先輩諸氏の期待に応え、大きく羽ばたくことを期待したい。

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