スタコラ:2006-06-29

ならぬものはならぬものです

2006-06-29
新開

最近話題の本、国家の品格(著者:藤原正彦)をお読みになった方も多いと思います。
その本の締めくくりは、【世界を救うのは日本人】ということでまとめられています。
最後の一段落を抜粋させていただくと、

「日本人一人一人が美しい情緒と形を身につけ、品格ある国家を保つことは、日本人として生まれた真の意味であり、人類への責務と思うのです。
ここ四世紀間ほど世界を支配した欧米の教養は、ようやく破綻を見せ始めました。
世界は途方に暮れています。
時間はかかりますが、この世界を本格的に救えるのは、日本人しかいないと私は思うのです」

と藤原正彦氏はおっしゃっています。

しかし、現在の日本は少子化で人口は減り始めていますし、美しい情緒と形を身につける教育がなされているかも心配です。
その本の中に【会津藩の教え】ということが書かれてあります。

一つ、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二つ、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
三つ、虚言を言うことはなりませぬ
四つ、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
五つ、弱いものをいじめてはなりませぬ
六つ、戸外でものを食べてはなりませぬ
七つ、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ

この七カ条の後は「ならぬものはならぬものです」と結ばれているそうです。著者の藤原氏は七つ目を除いては非常に納得できると書かれています。

少子化問題にもこれに似たようなことが言えるのではないでしょうか。
「結婚しなさい、いい人がいるから」「子供は早いほうがいいよ」など、おせっかいな人がいなくなったことも原因の一つかもしれません。
「就職しなさいよ、紹介しようか」「いい人がいるのよ、会ってみない」「子供はまだ、早く孫の顔を見せてあげなさい」なんて、言ってくれる人は少なくなりましたし、言ってはいけないことのようにも感じます。
しかし、「ならぬものはならぬものです」の精神で理屈ではなく、そうするのが当たり前と思って、世話を焼いてくれる人がいることも文化を守る方法の一つかもしれません。

私も、夫婦二人の生活が15年、少子化問題には貢献できていません。
家族は両親と我々夫婦の4人で、少子高齢化の典型的家族のスタイルを守り続けております。
10年前に「子供はまだ?」なんて鬱陶しいおばさんでもいたら、人生は変わっていたでしょうか?

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